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訪問診療×介護のハイブリッドモデル

— 医療と介護の垣根を超え、地域包括ケアの中核を担う新時代の経営戦略 —

はじめに:介護だけでは限界、医療だけでも続かない

超高齢社会を迎え、訪問介護や訪問看護だけでは利用者の健康維持・生活支援のすべてをカバーしきれない時代になっています。
一方で、医療法人単独では、医療報酬の制約や在宅支援体制の構築に限界があります。

その中で今注目されているのが、「訪問診療×介護」融合モデル
つまり、医療法人と介護事業所が一体となり、在宅医療と介護の包括的サービスを同一法人または連携体制で運営する仕組みです。


融合モデルの基本構造

項目介護事業単独医療×介護融合モデル
収益構造介護報酬中心(低単価・高稼働)医療報酬+介護報酬(高単価・安定収入)
職員構成介護職中心(採用難)医師・看護師・介護職がチーム連携
利用者関係ケア中心・診療は外部依存医療+介護の一体支援で継続率向上
行政評価介護事業所として評価医療・介護連携法人として地域包括に認定可

医療法人格の取得が“融合モデル”の第一歩

介護事業所がこのモデルを実現するには、まず医療法人格を取得することが不可欠です。
特に、既存の優良医療法人の出資持分譲渡による承継スキームを活用すれば、

  • 新規設立のような時間・資金・実績要件(開設後1.5年、資金1000万円以上)を回避
  • 最短3ヶ月で医療事業(訪問診療)スタート
    が可能になります。

成功モデル事例:大阪府内Aグループの場合

背景

  • 訪問介護・看護事業を10年運営
  • 利用者数:400名、稼働職員:35名
  • 収益は安定しているが、介護報酬の上限と人件費高騰で利益圧迫

施策

  • 医療法人格を取得し、訪問診療クリニックを併設
  • 看護師・ケアマネ・医師を連携チーム化
  • 利用者の3割が訪問診療に移行

結果

  • 医療報酬:月間約900万円
  • ケアマネ経由での医療連携率70%超
  • 採用応募率が2倍(「医療・介護一体型施設」での働きやすさが魅力)

医療×介護融合の5つのメリット

  1. 報酬単価の飛躍的上昇
    訪問診療1件あたりの報酬は介護訪問の約10倍水準。
    医療収益を軸にすることで、介護報酬改定の影響を受けにくくなります。
  2. 職員の採用・定着率の改善
    医療法人としての安定感・社会的信用が増し、
    看護師・理学療法士・介護福祉士の応募率が上昇します。
  3. 地域包括ケア体制への正式参画
    医療+介護を同一法人が運営することで、自治体・医師会からの評価が高まり、
    在宅医療連携拠点として補助金・連携加算の対象になります。
  4. 利用者満足度・継続率の向上
    「介護から医療へ」「医療から介護へ」のシームレスな移行で、
    ご家族・ケアマネからの信頼が高まります。
  5. 事業承継・M&A価値の上昇
    医療法人化により、法人格の資産価値そのものが高騰
    M&A・承継・事業譲渡の選択肢が拡大します。

実行までのロードマップ(最短3ヶ月)

期間フェーズ主な内容
〜2週準備NDA締結/法人資料受領/医師確保/行政事前相談
2〜4週基本合意出資持分譲渡契約/反社・税務チェック/定款変更案ドラフト
4〜8週認可・登記定款変更認可申請/役員改選/登記完了
8〜12週運用開始診療所開設・保険医療機関指定・在宅診療スタート

よくある不安とその解決策

不安対応策
医師の確保が難しい業務委託・提携・週2日勤務など柔軟設計が可能。紹介会社・地域医師会経由の確保も支援。
行政認可が通るか心配定款・議事録・添付書類を行政目線で整備し、事前協議で不備ゼロ申請
出資譲渡の法的リスク弁護士・行政書士・税理士チームでデューデリジェンス実施、表明保証契約で担保。
資金が足りない銀行融資+補助金+リース活用で初期負担を軽減。法人格取得後は信用力が格段に上昇。

まとめ:介護の「限界」を超え、地域医療の主役へ

  • 介護報酬の天井を超える医療報酬の仕組みを得られる
  • 介護利用者という“既存資産”を最大活用できる
  • 採用難・経営不安を医療法人化で根本解決できる

すでに“人と地域を支えてきた”介護事業者だからこそ、
次は医療の力を融合して、真の「地域包括モデル」を築く段階です。


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