医療法人格の譲渡:税理士と【オーナー理事長】側の双方にメリットをもたらす新たな選択肢
高齢化社会の進展に伴い、医療法人の事業承継問題はますます深刻化しています。団塊世代(主に1947年から1949年生まれ)は、現在75歳前後で、医療法人の経営者としての役職を続けるか、後継者への事業承継を考えているケースも多いです。団塊世代が経営を担う医療法人は高齢化が進んでいるため、次世代への継承が大きな課題とされています。従来の事業承継に加え、近年注目されているのが「医療法人格の譲渡」です。本記事では、医療法人格の譲渡が、税理士と医師双方にどのようなメリットをもたらすのか、その概要について解説します。
医療法人格の譲渡とは?
医療法人格の譲渡とは、医療法人の法人格そのものを、他の個人または法人へ移転することを指します。従来の事業承継が、医療法人の経営権を後継者に引き継ぐのに対し、医療法人格の譲渡とは、出資持分そのものを譲渡することで、より根本的な事業の移転を可能にします。
税理士と医師の双方にメリットをもたらす理由
医師のメリット:
・プラスアルファの退職金:医療法人を譲渡することで、プラスアルファの退職金を得ることが可能です。これは、従来の事業承継では得られない大きなメリットの一つです。
・税務上のアドバイス:出資持分の譲渡には、譲渡所得税が発生することがあり、適切な税務対策が求められます。税理士は、現状分析や将来予測をもとに、どのような対策が最適かをアドバイスします。
※持分の譲渡方法によって課税額が異なるため、税務リスクを抑えるための計画を立てます。もし理事長が医療法人へ貸付金がある場合、債権譲渡の形をとれば譲渡側、譲受側の双方に税務上のメリットが生まれます。
※もし理事長が法人からの借入金がある場合、退職金で処理することが得策だと考えられます。
・経営から解放: 医療法人経営の負担から解放され、新たな生活をスタートできます。
税理士のメリット:
・譲渡手数料:医療法人格の譲渡は、複雑な手続きを伴うため、税理士にとっては譲渡手数料を得ることとなります。
・新たな顧客獲得:医療法人格の譲渡をきっかけに、新たな顧客を獲得することができます。
・専門性の向上:医療法人の事業承継に関する専門性を高めることができます。
医療法人格の譲渡の手続き(司法書士もしくは医療コンサルタントの業務)
医療法人格の譲渡は、以下の様な手順で行われます。
- 譲渡先の選定: 医療法人を譲渡する相手を決定します。
- 譲渡契約の締結: 譲渡条件などを定めた契約書を作成し、双方で署名・捺印します。
- 役所の許可申請: 所轄庁に譲渡の許可申請を行います。
- 登記手続き: 法人登記簿の変更手続きを行います。
まとめ
医療法人格の譲渡は、医師と税理士の双方にメリットをもたらす新たな選択肢です。しかし、複雑な手続きや専門知識が必要となるため、税理士の皆様には、クライアントに対して適切なアドバイスを行うことが求められます。
【税理士の皆様へ】
医療法人格の譲渡は、税理士の皆様にとって、新たなビジネスチャンスとなります。専門性の高いサービスを提供することで、クライアントからの信頼を獲得し、長期的な関係を築くことができます。
※もし上記の案件でお悩みの際は是非当社をご相談くだい。迅速に手続きを行います。