医療法人格の傾向と特徴について
1. 医療法人・病院M&Aの活発化
近年、医療業界における経営環境の変化や後継者不足などを背景に、医療法人・病院の事業継承が活発化しています。2023年には、過去最多となる約400件のM&Aが行われたと推計されています。
2. M&Aの目的
医療法人・病院M&Aの目的は、主に以下のとおりです。
- 経営承継
- 後継者不足の解消
- 規模の拡大
- 経営基盤の強化
- 一般人が医療に参入することにより、事業規模の拡大が見込める
- 経営効率の向上
- コスト削減
- 業務の効率化
- 専門性の強化
- 特定の医療分野における専門性を高める
- 地域医療の再編
- 地域医療の体制強化
- 医療資源の有効活用
3. M&Aの手法
医療法人・病院M&Aには、主に以下の3つの手法があります。
あまり知られていないですが下記のようにさまざまな方法があります。
メディカルゲートでは状況に応じて最適なご提案をいたします。
- 合併
- 2つ以上の医療法人が1つの法人に統合される方法です。
- 事業譲渡
- 一方の医療法人が、事業の一部または全部を他方の医師及び個人に譲渡する方法です。
- 出資持分譲渡(法人格譲渡)
- 一方の医療法人が、当該医療法人の出資持分を医師及び個人に譲渡する方法です。
4. M&Aの特徴
医療法人・病院M&Aには、以下のような特徴があります。
- 法令に基づく手続きが必要
- 医療法に基づき、監督官庁へ定款変更申請手続きを行う必要があります。
- 専門的な知識や経験が必要 (メディカルゲートは専門性と実績が多い)
- 医療法や税法など、専門的な知識や経験が必要となります。
- 関係者との合意形成が重要(売り手側とメディカルゲートが直接話をするため、スムーズな進行が可能)
- 理事長、理事、監事など、関係者との合意形成が重要となります。
医療法人格とは?
医療法人格とは、医療法に基づいて設立される法人のことで、病院、診療所、介護老人保健施設などを開設することを目的としています。医療法人は、大きく分けて「社団医療法人」と「財団医療法人」の2種類があります。
社団医療法人は、医師、歯科医師やその家族、友人が出資して設立する法人です。(平成19年3月以前申請)法人の資産は出資者で構成される理事及び社員の共有財産となります。(出資持分あり)毎年監督官庁(都庁、府庁、県庁等)へ事業及び及び決算報告義務があり、地域医療に貢献すべく官庁監視のもと法人経営を行います。(平成19年4月以降申請の法人については基金制度採用)
※一般社団医療法人とは異なる点が多いため、是非メディカルゲートにご相談ください!
財団医療法人は、個人や法人が寄付した財産に基づいて設立される法人です。法人の資産は寄付者の財産となります。毎年監督官庁(都庁、府庁、県庁等)へ事業報告及び決算報告義務があり、地域医療に貢献すべく官庁監視のもと法人経営を行います。
医療法人格を取得すると、以下のようなメリットがあります。
- 事業承継が容易になる
個人開業医の場合、経営上決算等の不透明感がありますが、医療法人の場合、毎年監督官庁への報告報告義務があり、経営状況の透明性が担保されているので、理事長、理事の交代と出資持分の譲渡を行い定款変更手続きだけで済みます。
- 銀行からの融資を受けやすい
医療法人は監督官庁へ申請すれば、決書等事業報告書の閲覧が可能なので、個人事業主よりも経営状況の把握が容易で、信用度も高く銀行からの融資を受けやすくなります。
- 法人税の控除を受けられる
医療法人は、一定の条件を満たせば、法人税の控除を受けることができます。
- 雇用保険や社会保険に加入できる
医療法人は、社員や役員、従業員に対して、雇用保険や社会保険に加入させることができます。
一方、医療法人格を取得すると、以下のようなデメリットもあります。
- 設立・運営に費用と時間がかかる
医療法人を設立するには、開設後1年間の経営状況の申告後、基金の創設や役員の選定、定款の作成や監督官庁の認証の取得など、さらに煩雑な手続きに約半年を要し、それに伴う申請費用がかかります。
- 経営の透明性が求められる
医療法人の財務状況を監督官庁により、閲覧公表されます。
- 解散が難しい
医療法人を解散するには、一定の手続きが必要であり、個人事業を廃業するよりも手続きが煩雑です。
医療法人格の取得を検討する際には、メリットとデメリットを慎重に比較検討することが重要です。
医療法人格のM&Aは、医療法や税法など、様々な法令に基づいて行う必要があり、専門的な知識や経験が必要となります。
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メディカルゲートでは「医療法人格」のM&A・コンサル実績が多数あり、複雑な手続きなどもお任せください。まずはお気軽に【お問い合わせ】からご相談を!