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■ 宿泊施設への訪問診療に関する法的な整理

– 訪問診療が可能な施設か?-

訪問診療は、以下のような「在宅」に類する場所で行うことが原則です:

区分訪問診療の可否
自宅○ 完全に可能
グループホーム○ 可能(条件付き)
障害者支援施設(入所型)△ 診療報酬請求ができないことが多い
サービス付き高齢者住宅○ 訪問診療可能
有料老人ホーム○ 原則可能
医療機関(病院、精神科病棟等)✕ 対象外(入院扱い)

つまり、その宿泊施設が「グループホーム」や「サービス付き高齢者住宅」に類するものであれば、訪問診療の対象となる可能性が高いです。
逆に、「福祉型障害児入所施設」や「医療型入所施設」などの場合、原則として訪問診療の報酬請求ができない(施設内医師が行うべき)とされます。


2. 医療法人による「まとめて訪問」は可能か?

はい、可能です。

精神科訪問診療(在宅患者訪問診療料+特定疾患療養管理料など)は、同一建物内に複数の患者がいる場合も、それぞれに算定できます

ただし以下の点に注意が必要です:

  • 同一日に複数名に訪問診療を行う際、「同一建物居住者への訪問」という扱いで一部報酬が逓減されます(例:初回は通常算定、2人目以降は加算が低くなる)。
  • 訪問診療を受ける利用者一人ひとりが個別に医師との関係(初診・同意書・指示書)を持っていることが必須
  • 医師が訪問しても、医療的必要性がない場合は算定できません(漫然とした訪問や診療実態のない訪問は不可)。

3. 宿泊施設に医師が常駐している場合は対象外

たとえば、宿泊施設が「医療機関の一部として届出されている」「医師が常駐している」などの形態の場合は、訪問診療の対象外となる場合があります(外来または入院と見なされるため)。

したがって、その施設が「住宅扱いであり、入院ではないことを明確に証明できる形態」である必要があります。


■ 収益面の可能性と戦略的活用

訪問先の利用者が精神疾患(発達障害、うつ、統合失調症など)を抱えている場合、月2回の訪問で1人あたり月額 3万~5万円以上の診療報酬が期待できます。
同一施設に10名以上が入居しており、まとめて訪問できれば効率が極めて高く、1回の訪問で30~50万円規模の報酬も見込めます

これを戦略的に展開する場合、以下のような構造が考えられます:

項目内容
医療法人格精神科(または心療内科)を標榜
提携施設宿泊付き就労支援・グループホームなど
提供形態週1~2回の定期訪問診療
対象疾患発達障害、うつ病、不安障害、統合失調症 等
収益モデル1施設あたり月数十万円~の診療報酬

■ 結論と見解

  • 宿泊施設への訪問診療は、法的には可能ですが、施設形態・届出・実態によって可否が変わるため、個別の施設に応じて確認が必要です。
  • 「住宅型」の福祉施設であり、医療提供体制が内部にないことが明確であれば、訪問診療報酬は請求可能
  • 特に精神科・心療内科での訪問は報酬が高く、多数の利用者を支援している福祉施設との連携によって、極めて高い効率性と収益性が見込めます