医療法人格即時承継可能法人の案内
— 出資持分譲渡と定款変更を“迅速・確実”に進めるための実務ガイド —
本記事の対象
- 個人クリニックの医師（医療法人化を検討・早期に信用力を高めたい方）
- 企業オーナー・介護事業者（新規に医療法人格を保有し事業展開したい方）
- 「出資持分譲渡」スキームで短期に医療法人格を取得したい方
まずお伝えしたい“安心材料”
即時承継が可能な優良医療法人の基本情報（大阪府）
- 診療所：令和7年（2025年）6月に廃止済み
- 決算：令和7年7月に確定
- 申告：令和7年9月末に申告済み
- 資産整理：全て完了（未払税・リース・偶発債務なしを前提）
→ 現在は**“器”としての医療法人格のみ**がクリアな状態。出資持分譲渡後、定款変更を経て即時に新体制で運営開始が可能です。
出資持分譲渡（譲受側）のメリット
- スピード：新規設立のような「開設後1年半の実績」「1,000万円超の資金要件」等のハードルを回避。
- 信用力：医療法人名義での銀行取引・契約締結が可能に。
- コスト効率：設立初期の時間ロス・機会損失を抑制。
- 設計自由度：譲渡後の定款変更で目的・役員体制・機関設計を現行事業に最適化。
※出資持分譲渡は「株式譲渡」に近い概念ですが、医療法人は社員（出資者）持分の移動で支配権を移転します。実務は定款・社員総会決議・理事（長）選定・行政手続の正確運用がカギです。
不安を一つずつ解消：よくある懸念と解決の方向性
- 行政の認可は本当に下りる？
→ 認可対象の定款変更事項を的確に設計し、事前協議で齟齬を潰せば通過可能性は高いです。 - 潜在負債や税務リスクが怖い
→ デューデリジェンス（法務・税務・会計・労務）と表明保証条項でコントロール。 - 反社チェックやコンプライアンス
→ 反社排除条項・誓約書・外部データベース照会でゼロトレランス対応。 - 銀行口座/保険指定/登記などの切替手続きが煩雑
→ 時系列で**“誰が・いつ・何を出すか”をチェックリスト化**し、漏れを防止。
90日で完了を目指すロードマップ（目安）
迅速化のコツ：事前協議・素案の先行作成・並行処理。
※実際の所要は自治体・案件構造により変動します。
フェーズ0：事前準備（～1週）
- NDA締結／基本資料受領（定款、議事録、決算・申告控、登記簿、各種届出控）
- ハイレベルFit & Gap（譲受側の事業目的・所在地・役員案と照合）
- 行政（大阪府）への事前相談アポイント設定
フェーズ1：基本合意（1～2週）
- LOI（基本合意書）：価格・スケジュール・独占交渉・表明保証の骨子
- 反社・制裁スクリーニング一次実施
フェーズ2：DD（2～4週）
- 法務：定款・議事録・各契約・権利関係・過去の承認/届出整合
- 税務/会計：申告・納税・未払/偶発債務・資産整理の実査
- 労務（在籍なし想定でも過去負担の有無を確認）
- 結果共有＆是正合意（必要に応じ補正決議・清算）
フェーズ3：契約・クロージング設計（4～6週）
- 出資持分譲渡契約／表明保証・補償条項／クロージング条件
- 社員総会決議案、役員就任承諾書、印鑑関連、法人実印届出準備
- 定款変更案のドラフト（認可対象部分を特定）
- 行政再協議：提出書式・補足資料のすり合わせ
フェーズ4：クロージング（6～8週）
- 出資持分譲渡実行（対価授受・持分名義書換・議事録）
- 理事・監事選任／理事長選定／代表印変更
- 銀行口座承継・権限変更手配（並行）
フェーズ5：定款変更認可・各種届出（8～12週）
- 定款変更認可申請（大阪府）
- 目的変更／主たる事務所／役員・社員・機関設計 等
- 認可後：登記／税務・年金・労働保険届／医療機器リース、保険者、取引先切替
- 事業再開（新規開設許可・保険医療機関指定は別途手続）
ポイント
- 認可対象か届出対象かを切り分け、認可書類は“先に行政目線で仕上げる”。
- 役員体制・事業目的・所在地など審査でつまずきやすい項目は、事前協議メモを残し、そのまま添付説明へ転用。
行政ハードルを越える“定款変更”の考え方
- 変更事項の棚卸し：事業目的／名称／主たる事務所／公告方法／機関設計／社員資格・持分 など
- 認可・届出・登記の動線図を先に作る（どれを誰にいつ出すか）
- 議事録の技術：決議要件・招集手続・効力発生日の連動
- 提出物の一貫性：定款・議事録・申請様式・添付資料の記載を一字一句合わせる
- 専門家連携：
- 行政書士：認可申請の主担当（様式・添付・照会対応）
- 弁護士：契約・表明保証・ガバナンス再設計
- 税理士/会計士：税務ストラクチャ・PMI（統合後会計）
結論：論点を先回りすれば、迅速かつ確実に定款変更認可は取得可能です。
譲受側チェックリスト（抜粋・案件着手前にご確認ください）
- □ 反社・制裁・PEPsチェック（譲渡人/法人/主要関係者）
- □ 未払税金・延滞金・社会保険料の無（証明添付）
- □ リース・保証・担保権の無／解除済の証跡
- □ 訴訟・紛争・行政処分の無（弁護士意見書化も可）
- □ 最終決算・申告控・総勘定元帳・残高証明の整合
- □ 定款・議事録・登記情報の完全一致
- □ 役員・社員全員分の印鑑証明・就任承諾書の準備
- □ 銀行対応計画（権限移管／EB再設定／限度額見直し）
- □ 事業再開の許認可ルート（開設許可／保険医療機関指定）
契約実務の勘所（トラブル予防）
- 表明保証：過去債務・偶発債務・税務・労務・知財・反社を広くカバー
- 補償・価格調整：認識差や事後発覚に備える
- クロージング条件：必要書類のフルセット化／行政事前協議の完了証跡
- 誓約事項：競業避止・機密保持・名義変更協力
必要書類の代表例（案件により増減）
- 定款・最新全部事項証明書・過去議事録一式
- 直近決算書・申告書一式・納税証明
- 出資持分譲渡契約書・出資者名簿・持分台帳
- 社員総会議事録（譲渡承認・役員選任・理事長選定）
- 役員就任承諾書・印鑑証明・本人確認書類
- 反社排除に関する誓約書
- 定款変更認可申請書類セット（様式・添付・説明書）
ケースメッセージ（譲受側の“声”に対する即応）
譲受側の不安：「行政の審査が怖い・何が認可で何が届出か分からない・時間をかけたくない」
当方の対応：
- 行政目線の定款変更ドラフトを事前協議で磨き上げる
- 申請・登記・税務・銀行のクリティカルパスを時系列で提示
- 反社・税務・偶発債務はDD＋表明保証で二重ガード
- すべてテンプレート化し、捺印・差し替えのみで運べる状態に
譲受側の不安：「クロージング後の運営が心配」
当方の対応：
- PMI（統合後運営）パック：役員報酬設計／口座運用／会計・税務暦／内部統制の最小要件
- 事業再開の許認可ToDoを週次タスク化し伴走
まとめ：信頼される“即時承継”を、論理と段取りで実現
- 大阪府の当該法人は診療所廃止（R7.6）／決算確定（R7.7）／申告済（R7.9末）／資産整理完了
- 出資持分譲渡 → 役員体制整備 → 定款変更認可 → 登記・各届出の順で90日前後を目安に完了
- 事前協議・定款ドラフト・DD・表明保証・並行処理で“迅速・確実”を担保
まずは不安をそのままお聞かせください。
先生・事業者さまの計画と行政実務の“橋渡し”を、専門家（行政書士・弁護士・税理士）とチームで並走支援します。
ご相談例：
- 「3か月以内に法人格を取得し、融資・契約を法人名義に切り替えたい」
- 「将来の事業承継を見据え、持分・機関設計を最適化したい」
- 「新規開設の許認可と同時並行で動きたい」
お問い合わせの際は、
①ご希望時期／②予定エリア／③想定科目・事業内容／④体制（役員案） をお知らせください。最短ルートの手順と必要書類リストをその場でご提示します。